
迷惑はネガティブな言葉じゃない、迷惑をかけてもいい、それがチームの力になる
今回は独学でプログラミングを習得し、なんと経験者枠で入社したというとっても努力家のエンジニア譜久原さんにインタビューします。
プログラミングに出会うまで
——譜久原さんの経歴から聞かせてください。
公務員試験の勉強をする専門学校を卒業し、公務員として6年半働き、「もっと面白い仕事やりたいな。」という気持ちだけでスパッと辞めました。次の転職先を決めずに...。
——何も決めずに辞めてしまったんですね。すごい決断力。
そこから自分の興味の赴くままに、面白いことだけやろうといろんなことを試しました。
ふわふわと寄り道しながら中小企業診断士、会計士などの資格取得を目指したり、経営の勉強をしたり。その中のひとつにプログラミングがありました。
学生の頃「数的推理」という、数学的知識とパズル的センスが問われるような科目が得意でした。そこで自分にプログラミングの適正があるなと思いました。なによりも、他の資格を取る勉強よりもプログラミングしている時間が楽しかったんです。
——いろいろ勉強するうちに、面白いことにたどり着いたんですね。
アルバイトも何もせず1日中家に籠もって、13時間くらいプログラミングの勉強する日々が何ヶ月も続きました。アルバイトしていた時期もありましたが、アルバイトの時間以外はずっと引きこもって勉強でしたね。
引きこもりで得たものとは
——引きこもり期間、どんなことが大変でしたか?
分からないことを助けてくれる人がいないので、確かに苦労しました。
1つのエラーが出て、3日間位ひたすらそのエラーについて調べ続けるというような泥臭い作業をしてました(笑)。実際エラーだと思って調べていたのがただの凡ミス、タイプミスが原因だったということも。
教えてくれる人がいたほうが、効率は良いかもしれないけど、自力で解決する能力を高めることができたという意味では、大きな収穫でした。
それから就職しようと決めて、自己アピールのために何個かアプリケーションを完成させました。それをCTOの若杉さんに見てもらい、入社が決まりました。
働きやすさを実感するとき
——エンジニアとして初の就職ですね。
独学で学んだとはいえ、未経験者なので実務的なことはできないと思っていました。雑用みたいな仕事から始まるのかな、と予想していましたが、初めからどんどん開発の仕事を任せてもらえて嬉しかったですね。
——即戦力じゃないですか。すごい!
自分でシステム作っていたものと会社のものでは、規模も違う、複雑、レベルが違う、この乏しい知識で触って大丈夫かという不安はありました。でもその不安はコードレビューがあるので、安心でした。
——先輩方に見てもらえる安心感がありますね。
先輩とか関係なく、毎回ランダムに決めた2名がチェックします。僕もチェックする側に回ることがあります。自分がレビューされる側では勉強になるし、レビューする側でも知識がついてスキルアップになります。
ひとりで行う作業ではあるけど、他の人に見てもらうとシステムをチームで作り上げているという実感が湧きます。
——レビューしてもらう時間をとることに、負い目や遠慮はありませんか?
迷惑をかけよう、それがチームのためならば。という開発チームの行動規範があります。
お互いの成長につながるので、迷惑をかけるという遠慮はお互いに一切感じたことがないです。このキャッチコピーは、うちのチームで自然と浸透している言葉です。
「分からない、助けて!」と聞きやすい、言いやすい雰囲気。これは僕が入社した頃からずっと変わらないですね。どんなことでも言っていいんだよ、というチーム内の信頼関係ができているからこそ、心理的安全性が保たれています。
迷惑をかけてしまってもいいと思える安心感と、それを受け止めてくれる人たちがいることを意識できる言葉ですね。上下関係なく言えるチーム力、弱みやネガティブなことも晒せる開発チームは最強のチームですね。
(聞き手・文章:中村 恵子)