組織のためになるか、ならないか。それだけ。帰ってきた元インターン生の躍進
「ものすごく、ものすごくカッコイイ例えをすると、HUNTER×HUNTERのキルア」。
そう代表から全社へ紹介されたのは、営業インターン卒業後、大手企業に就職しこの秋フクロウラボに復帰した山本さん。キルアとは、冷静沈着で頭の回転が早く、見切りが早いキャラクターなのだそう。社長直下の事業推進室が発足する形で復職し、部署を超えた横串の支援プロジェクトを多く担当してくれています。フクロウラボのバリュー『期待を超える』をさらりとこなしているように見える山本さんに、その秘密を聞いてみました。
事業推進室という名の特命班
——営業インターンを卒業し、1年半の時を経てフクロウラボに戻ってきた山本さん。現在の所属チームのミッションは何ですか?
形容するなら"会社の骨を作り直す"ことです。
ここ数年で取引の額や幅が広がり、メンバーも増えました。チームのあり方など含め、会社の筋肉の変化に合わせて今ある最適な骨格を作ること。新たな筋肉がつくような新規事業を立案しローンチしていくのも、業務のひとつです。
——具体的にはどんな仕事をしていますか?
営業の仕組み化や予実分析、各部署で使用するツール導入から人材育成などにも関わっています。幅が広すぎるのが特徴ですね!代表の清水さんには「色々なチームや事業に入り込んで課題解決したり、スムーズに仕事をしやすくする特命班」と最初に説明されました。
ミッションは、組織や事業を"いい感じ"にすること
——まだ復帰して2ヶ月経っていないですが、山本さんに対して、バリュー『期待を超える』を体現しているとの声をよく耳にします。
役得だとしか思ってないです。社内でいろいろな人と関わる機会が多いのと、僕のキャラや立場が相まっているだけかなと。とはいえ、名前が上がることで、自分たちがやっていることが間違いではないと思えるので、感謝しています。
——入社時、代表の清水さんからはどんな期待値を伝えられましたか?
ひとこと、「いい感じにしておけ」かな。そういう雑な感じが個人的にはやりやすいです。面白いなぁって。
——いい感じ!清水さんらしい(笑)。山本さんが思う"いい感じ"は清水さんとすり合っていそうですか?
シンクロしているとは思いません。でも結局、組織のためになるか、ならないかだと思うんですよね。清水さんのイメージと違っていることもあるけど、なぜそれを僕がいい感じと思ったかちゃんと説明できて筋が通っていれば、「じゃあそれで」となることもよくあります。
僕、普段から、いろいろな人の視野を持つようにしてるんだと思います。案件ごとに様々な部署や職種、ポジションの人と関わるので、その人のミッションはなんなのかを考えて行動しています。全体を俯瞰して、立場を客観視して考える感じですね。そんなに意識的にはしていないけど、視野を変えないとうまくいかないから。
ノリで飛び出した外の世界で
——大学卒業時、そのままうちに就職する道もありながら、あえて社外へ飛び立ったのはなぜですか?
大企業がどういう論理で動いているのかを肌で味わってみたい、やってみたいぐらいのノリでしたね。
——他社を経験して学んだこと、経験できて良かったことは?
卒業後、創業70年、従業員数100名規模の会社に入社しました。そこで、会社の仕組みや考え方など、大企業の論理に触れられました。一番大きいことは、カルチャーですね。前職って、めちゃめちゃ自分の会社のこと好きなんですよ、みんな。そういうカルチャーがどういう文化の中で作られるのかを学べたことが最も大きいです。現に僕は前職のこと、今でもとても好きなので。
——一度外に出たからこそ、見えるようになったものはありますか?
経営の論理を学べました。複数ある部署が有機的に動いていて、それをちゃんと取りまとめているのが経営方針なんだなと実感しましたね。フクロウラボでもインターンなりに結構やってたつもりだったんですけど、全然甘かったんだなと実感しました。
正しく組織して正しく戦う
——復帰したての山本さんだから見えている課題って、ありますか?
会社の課題であり伸びしろだと思うところは、"子供が背伸びしている感"だと思います。
——どういう意味ですか?
だんだん会社っぽくなってきたね、って社内の人でもよく話題になりますが、ルールや決まりができると、会社にとっても働く人にとっても、良くなることも悪くなることもあります。今はまだ、組織として動くことに慣れていない人も多いと思うし、成功体験がある人が少ない気がします。
まだまだ、早く前に進めて成功させる必要がある業務が多いので、コーチングとティーチングのバランスが難しいですよね。もっと成功パターンが経験に基づいてできてくると、それぞれが「イケる!」って確信をもってアクションできるようになるんじゃないかと思います。
ちょっと話がそれますが、僕は軍事論が好きで戦争の本とかは死ぬほど読んでいて。昔から組織論みたいなものは好きなんです。戦争って、組織の究極系だなと思うので。正しく適切に今あるものを配分して、やらないことを決める。限られた資源から選択して、どこを守り切るか。正しく組織して正しく戦うってことだと思うんですよね。
——なるほど。同じ事業推進室のチームメンバーに、あえて何かを求めるとしたら?
必要とされても、優先度を正しくつけて、やらないという明確な選択肢を持つことですね。
やりたくない仕事もやり切る理由
——部署間の架け橋となり、様々な課題解決に取り組む上で、大変なことも結構ありそうですね。
課題っぽいのはわかっているけど、よく見えないっていう問題が多いんですよね。なので、問題の輪郭をきり抜くのに、物凄く労力を使います。また、見えないからこそ、自分自身や部署内での優先度が上がりづらいというハードルが常に付きまといます。それをいかにステークホルダーに説明して、未来をみてもらうかが大変ですね。
——それでも、日々向き合い続けられる理由は?
表舞台に立つよりも常に裏方な性分なので、そういう見えない仕事ほどやりがいを感じるというのはあります。未来像として『こういう風になりたい』とかそういうのはなくて、組織にとって必要され、自分が必要だと思うからやりきるだけです。やりたくない仕事は山ほど回ってきますが、必要とされた仕事をまっとうできないと、自分がいざやりたい仕事ができた時にできないのかなと。また、そういう仕事ほど、自身のレベルも上がる気がします。
学生時代から、勘が鋭くてぬるっと仕事ができちゃう天才肌。そんな印象は変わりませんが、とてもたくましくパワフルになって戻ってきて、日々メンバーからの多くの信頼を積み重ねている。そんな、今まで知らなかった山本さんの真面目な一面が垣間見えた時間でした。「インタビューで話すことなんて何もないよ」とニヤニヤして言いながら、事前共有した質問シートにはびっしり想いを書いてくれていたのはここだけの秘密です。いつもありがとう。
(文章:コーポレート/紙谷 夏美)