「僕の対応、イケてますか?」顧客の期待を超えるためにNPS調査を導入した話
フクロウラボ社内でよく使われるワードランキング1位は「価値提供」かもしれない。そんな当社らしさを表す取り組みのひとつが、NPS調査。顧客ロイヤルティを把握するための満足度アンケートです。“かけがえのないパートナーになる”をビジョンに掲げる当社にとってNPS調査がもたらす影響を、事業推進室の山本 有樹(やまもと・ゆうき)さんに教えてもらいました。
大前提で重要なのは、信頼残高を積むこと
——NPS調査はいつ頃から、どんなきっかけで始めたんですか?
事業推進室が2020年9月に立ち上がって、12月に初回を実施しました。きっかけは、営業担当が既存顧客に対し真摯に向き合い続けた結果、新規営業に結びついたケースがいくつかあったんです。別案件の担当者を先方発信で紹介していただいたり、ご転職後の企業でも取引したいとお問い合わせいただいたり。
——バリューのひとつ“コトに向き合う”の実践が、成果に結びついたんですね。
そうですね。ビジョン“かけがえのないパートナーになる”を実現するためにバリューがあるわけですが、もうひとつ、“期待を超える”というバリューもNPS調査の実施に関係しています。
期待を超えたいと思っていても意外とやっていないのが、相手の期待値を適切に把握すること。自分の思う善い行いをするだけでなく、本当に相手が求めていることを知ったうえで、それを超えたアウトプットを目指すのです。
toB・toC両面の事業である当社において、顧客の期待を適切に把握するための取り組みとしてNPS調査を実施しています。実際の顧客の声を真摯に受け止め、できるものは仕組みの改善や、日々の行動に反映し信頼残高を積むことが、『かけがえのないパートナー』になる第一歩と考えています。
顧客からのフィードバックを得ることについて、コーポレートサイトに掲載している代表の清水さんの言葉も添えておきます。
自分の対応は、相手の期待を超えているのか
——実際どんな感じで調査をしているんですか?
四半期ペースで、各担当者当たり2~4社程度の顧客を対象にしています。アンケートフォームをお送りして各担当者から回答をお願いする形です。質問内容は、一部ですが例えば以下のようなことを聞いています。
——NPS調査で一番知りたかったことは?
自分たちの営業品質に対しフィードバックをもらうこと。健康診断のような感じですね。病気になってから治療するのではなく、現状を適切に把握し、予防や早期発見ができたらと。
——営業担当者にとってみると、自分の営業品質に対するフィードバックってちょっと怖さもあるような気がするのですが、メンバーの反応はどうでしたか?
多少おっかなびっくりな反応はあった記憶です。顧客の声を聞いてみたいという気持ちからか、一斉に調査を投げてくれたことには感謝しています。その後すぐに回答していただいた顧客も多く、思いがけずその日は対応に追われました。回答データの閲覧シートに営業メンバーがずっとログインしていたのが印象的でしたね。
本音を引き出し、改善し続ける
——調査結果として、どのような回答が多かったですか?
先に良いところから話すと、とにかく逃げずに向き合っている点を大きく評価していただけました。営業担当のきめ細かい対応の賜物だと思います。
——改善点のご指摘などもありましたか?
辛口な評価をいただいた顧客ほど単価や件数を超えた提案を期待していることが分かり、営業の介在価値として次に取り組むべきことが見えてきました。対応品質については、良くも悪くもないという回答も多くありました。この点は、まだまだ顧客に踏み込んだコミニケーションや提案ができていないことの裏返しだと思うので、伸び代だと感じています。
このアンケートがアポイントのきっかけになり、改善点や改善方法を顧客と相談したケースがありました。結果として、良い動きにつながっています。
——NP調査自体の課題点などあれば教えてください。
中長期的なマクロ視点で、質問内容や質問回収後の動きなど至らないところも多く、アップデートが必要不可欠です。具体的に質問内容を変えたり、ヒアリングの母数を増やすことなどで改善していく予定です。
——顧客の声を聞くことで、フクロウラボがどのような会社になることが理想だと思いますか?
シンプルに、今よりも売上を上げられる組織になれることが理想です。競合優位性を出しにくい業界ですので、顧客のロイヤリティをあげるという側面で貢献していけたらと思います。
私がフクロウラボに人事として入社し習慣づいたことのひとつに、まずは現状把握をする、ということがあります。清水さんに言われて今でも心に残っているのは、「他社事例などを引っ張ってきてそれっぽい人事施策を打てば仕事してる風に見える職種だけど、本当にメンバーが求めていることを適切に達成できるように動いてほしい。そのためにはメンバーに直接聞くしかないんじゃない」と。
これからもどこまでもまっすぐに顧客と向き合い、その期待を超えて、目の前の人々や社会にとってかけがえのないパートナーとなることを目指し続けたいと思います。
(文章:コーポレート/紙谷 夏美)