本を読むだけで終わらせない、課題図書の活用方法
入社時に人事担当者から「メッセージングしたいこと、知識としてもっておいて欲しいことはこの本に載っているから読んできて」と手渡されたビジネス書。大事なのは分かっているけれど、小説みたいにストーリーに入り込めず、難しいと感じてしまうこともあります。
書籍の受け止め方、理解度、その内容を活用できるかは読んだ本人次第。
本を渡した側も、読んでもらっただけでは、どこまで理解できたのか、活用できるのかは分かりません。会社が期待しているレベルまで、読んだ人の理解度は達しているのでしょうか?
この共通認識が取れない状況を改善するために、課題図書のひとつを使用しワークショップ形式で実践まで学ぶことにしました。
ワークショップの狙い
今回の課題図書は、『世界一やさしい問題解決の本』。事前に各自でこの本を読み、ワークショップを行いました。例題は業務と関係ないもので、皆で問題を掘り下げ、原因を分析し、解決策を話し合いました。
「課題解決の重要さを理解し、実践方法を習得する。さらに業務で解決法を実践してみようというマインドセットになっていること」がこのワークショップのゴールです。
新メンバー、OJTトレーナー、チームリーダーが参加して、今回のワークショップを行いました。
初めての問題解決ワークショップ
オフィスワークを経験したことがない、2名のインターン生にワークショップに参加した感想を聞いてみました。
・本を読むだけだと理解しているつもりで終わってしまい、いざ使う場面でうまく活用できない可能性が高いと思います。自分が本から学んだことを答え合わせのようにすり合わせて、ワークショップで活用し問題解決方法のイメージをつかめました。
・例題が取り組みやすい問題で、積極的に参加しやすかったです。トレーナーが一緒に参加してくれて、一番近くで働く人の考え方を知ることができ、普段のコミュニケーションが円滑に進めやすくなりました。
普段から直感で動いてしまうタイプなので、一旦立ち止まって自分目線や相手目線など視点を変えて、物事を考えるようになりました。
——一緒に参加したトレーナーからはどのような声があったのでしょうか。
今回の問題解決のスキルを上げる部分とは別の話になりますが、例題が業務外の話だったので、業務上では知ることができないようなメンバーの人間性に触れる機会になった。インターン生のフレッシュでシンプルな視点や意見は大事だなと感じました。
ファシリテーターを務めた人事担当者の裏話
今度はファシリテーターをつとめた人事担当者にも話を聞いてみます。
——このグループで開催した理由を教えて下さい。
最初は、新メンバーだけを集めてワークショップを行う予定でした。課題図書ワークショップを始めたばかりで、どのようなことをやっているのかトレーナーやチームリーダーに知ってほしくて、一緒に参加してもらいました。
——どのようなことに効果がありましたか?
新メンバーがひとりで課題解決に挑戦するより、トレーナーやリーダーの多角的な目線や意見をキャッチアップしながら自分の意見をまとめていく過程が練習できました。
今後新メンバーにとって課題を解決する時に、一番近くのトレーナーからアドバイスをもらいそれを自分で考えまとめて解決法を導きます。同じ状態をワークショップでできたことがよかったです。
——このワークショップをどう活かして欲しいですか?
課題に直面した時に深く考えずスルーすることもできるけど、1つの出来事に向き合って、自分の力でやり切れることが自分を強くするんだと思います。自ら課題を見つけて解決するんだ、という意志を持ってもらえると嬉しいです。
新メンバーは他の人の視点やアドバイスに助けられて、解決案を出せたという結果で、1つ自信がついたと思います。課題に直面しても、前向きに取り組める姿勢ができました。
今後も、課題図書の活用方法や新しい制度など、上手く社内に浸透させる活動をnoteでレポートしていきます。
(文章:中村 恵子)