たった10分の発表で、新メンバーが早く会社に馴染む施策。ライフラインチャートの効果とは?
入社した新メンバーに発表してもらうライフラインチャート。これが、周囲のメンバーとすぐ打ち解けて、新メンバーが自然な笑顔で働けるとその効果に社内で定評があります。今回は、このライフラインチャートのメリットや、実際にこれを活用したメンバーの気持ちの変化についてご紹介します。新メンバーには自分を知ってもらう機会。そして、発表を聴く周りのメンバーにはどのような効果があるのでしょうか。
ただの自己紹介ではなく、少し詳しいライフラインチャートを発表しても、そんなに効果があるの?と疑問に思うかもしれません。でも、発表を聴くだけで自然と新メンバーとコミュニケーションを取りたくなるのです。
ライフラインチャートのメリット
ライフラインチャートを発表すると何が分かるのか。4つの効果を紹介します。
1.新メンバーの印象がしっかりと残る
・新メンバーとチームが違うと、業務中関わりがほぼありません。Slackに新しいメンバーが追加されて、アイコンと名前程度の認識から、ライフラインチャートの発表でやっと新メンバーの存在を感じられる。
・「あの、〇〇さん」と発表時の印象深いエピソードとセットで新メンバーをすぐ覚えられる。
2.新メンバーの個性や、センスが見える
・折れ線グラフを使って自分の人生を語るという共通ルールの中で、その人の性格が出る。
資料作りが丁寧な人、デザインのセンスが良い、話し上手、プレゼン上手など、仕事をしたらこんな感じでは?という想像ができて、一歩踏み込んだ印象が持てる。
・挨拶だけの第一印象から、ガラッと印象が変わる。
3.業務中にわざわざ訊けないことが知れる
・出身地、趣味、前職、部活、好きなもの、辛かった過去まで聴ける。(発表者は、事前打ち合わせがあり、自分が言える範囲内でエピソードを話してくれます。言いたいエピソードは本人次第。無理強いはしません。)
4.新メンバーと共感ポイントが見つかる
・新メンバーと共通点があるとなんだか嬉しい。同じものが好き、似たような価値観を持った人だと分かれば、それだけで心の距離が縮まります。
発表を聴いたメンバーの気持ちの変化
知り合ったばかりの人と話す時、どんな感じで話せばいいかと、探りながら人との距離を縮めていくと思います。それが、発表を聴いた新メンバーのバックグラウンドが分かると、一方的ではありますが、その人を昔から知っているような気持ちになります。
まだそれほど話したことがない新メンバーだったことを忘れてしまうほど、初対面の感覚がなくなります。これがはじめましての壁をひとっ飛びしている状態。
ライフラインチャートの中にいろんなネタが詰まっているので、「もっとあなたの話が聴きたい」と自然なコミュニケーションが生まれます。
発表内容について周りの先輩に話しかけられたことを、新メンバーが教えてくれました。「あれ知ってる?と、僕が知らない昔のゲーム機とか芸能人の名前を出されて・・ほどんど知らなかったので、知らないことを伝えるとびっくりされました。」とのこと。
先輩と新メンバーの間には、年代の差があったようです。話が合わなくても、発表を聴いたら、つい話しかけたくなっちゃうんですよね(笑)。
新メンバーから見れば、突然フレンドリーに話しかけられて驚くかも。でも聴いた側は、新メンバーのことを詳しく知った気持ちになっているので、こんなノリで話したら応えてくれるだろうと予想ができます。知り合いのような、親しみを込めた話し方になるのです。
フクロウラボのライフラインチャート発表とは
発表したばかりの新メンバーに、ライフラインチャートの感想をきいてみました。
——発表を終えて、いかがでしたか?
・みんなからのコメントが予想以上に多くて嬉しかったです。
・コメントをもらって、あたたかく皆さんに迎えてもらえた感じがした。
・自分の大変だった過去のことを、おもしろおかしく伝えられて満足です。
最近では、zoomを利用しオンラインで発表しています。チャートの折れ線グラフが上下するたびに、聴いているメンバーたちはチャットルームでコメントをして盛り上がります。強烈なエピソードでも引かずにツッコミを入れるので、それを読むのも面白く、ノリの良い人ばかりだな、という雰囲気が新メンバーにも届きます。
——ライフラインチャートの印象は?
・他の人の発表を聴いていたら、恥ずかしくて言えないような過去も、わりとさらけ出して発表しているので面白いなと思った。
・幼少期の体験談から、趣味や前職のことまで、いろんな話が聴けて楽しい時間。
業務を教わるにも、まずはメンバー同士の良好なコミュニケーションが大事。「はじめまして」から、遠慮なく質問できる関係になるまで、時間がかからないのがフクロウラボ流。早く会社に馴染めるこの施策、ずっと続けていきたいですね。次のライフラインチャート発表も楽しみです。
(文章:中村 恵子)