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さらに広いオフィスに移転したフクロウラボ。代表の清水さんが語る、オフィスが叶えるPXとは

これまでのオフィスの3倍はあろうかという広いオフィスに移転を叶えたフクロウラボ。これまでも会社の拡大に伴って渋谷エリアでの移転をしてきました。

今期の大きなイベントであるオフィス移転のこと、そしてそのオフィスを選んだ理由にも寄与するPX(People Experience)についてフクロウラボの代表の清水翔さんにお話をききました。

聞き手:出川 光

今期の注力ポイントは新規事業とPXの向上

ミーティングスペースも刷新。天井が吹き抜けになっていて開放感があります。

──10月から新しい期が始まり、1ヶ月が経ちました。清水さんは今期をどんなものにしたいと考えていますか?

前期と今期で目指したいことはほぼ同じです。現在のメイン事業である広告事業を強く伸ばした上で、第二、第三の柱となる新規事業をつくることです。

新規事業の成功は、関わる要素がいくつもあります。メンバーの実力やプロダクトそのものの良し悪しもありますが、市場、タイミング、運など要素も大きいです。
新規事業は「根拠は不確かでも強い意志や直感的自信がある」や「情熱、本気度、粘り強さ」という気持ちやマインドセットのほうが大切だと思っています。

以前はがっつりと入って手伝いをしていた新規事業ですが、今は事業責任者を立て、あまり手伝いすぎないように気をつけています。新規事業の成功と、新規事業チームの成長を期待しています。

──事業以外の面で、今期意識していることはあるのでしょうか。

この会社の働きやすさや、働きがいなどのPXの向上です。みんなが愛し合い、協力し、「ちょっと助けてやってもいいか」とお互いに思える空気づくりをしていくつもりです。

例えばAさん、Bさんが同じチームで働いているとして、信頼関係ができていればAさんが迷惑をかけてもBさんは助けてくれます。けれど、それがちゃんとできていないとイライラしてしまったりする。会社が成長し人が多くなって役割が細分化すると、お互いのことがちゃんと分かり合えていない状況が生まれやすいので、そうならない空気や従業員同士がもっとリスペクトし合う状態作っていきたいと思っています。

オフィス移転は会社にとってのモメンタム。
もっとお互いの顔が見える新オフィス

新オフィスの執務スペース。お互いの顔を見ながら働くことができる。

──今期の大きなニュースのひとつに、広くなったオフィスへの移転があると思います。オフィス選びでも、PXを意識されたのでしょうか。

そうですね。従業員が増えたのに伴ってオフィスそのものは大きなものにする必要がありましたが、働くメンバー同士の距離が近く、顔が見えることを特に意識しました。以前のオフィスは縦長で柱もあり、席が遠いメンバーの顔が見えないのが難点でした。このオフィスは、四角形をしていて、メンバー全員の席が見渡せるところが特に気に入りました。

──内装なども変えたのでしょうか。

基本的に居抜きのオフィスだったので、設備の大半は以前このオフィスを使っていた会社から引き継ぐことができました。ミーティングスペースなどは、ほぼそのままです。

一方、先ほどの「お互いの顔が見える」状況を作るため、いらない壁や柱を取り払ってひろびろとしたフロアを作るように内装を行いました。できあがったオフィスは、一緒に働くチームメンバーだけでなく、隣の部署との距離も近く、顔を見ることができます。

こうして物理的に声が聞こえたり、表情が見えたりするのはメンバー同士がわかり合うのにとても大切です。今はフロアにまだ余裕がありますが、それでも席をばらばらに配置せず、ぎゅっと集まって働くようにデスクの場所をデザインしました。

居心地の良さそうなミーティングスペース。会議だけでなく雑談も進みそうです。

──それらの意思決定は、全て清水さんが?

オフィス選びや内装、レイアウトは僕が行いました。誰かに任せても、僕が最終の確認や意思決定をするのであれば、自分でやったほうが効率が良いと思ったのです。また、僕は実際にメンバーがどんな風にオフィスを使うかを想像するタイプ。誰がどこを歩くかやゴミ箱の配置に至るまで細かく想像し、デザイン設計していきました。

──新しいオフィス、開放感があっていいですね。

執務スペースと給湯室の間にあった壁も取り払い、メインの執務エリアは歩きやすく、オフィスの隅々までみんなが見渡せるようにしました。

執務室後方のミーティングスペース。たくさんあります。

──これほど大きなオフィスに移転するのは、メンバーのみなさんもかなり喜ばれたのではないでしょうか。

そうだといいですね。自分自身もそうですが、何年も同じオフィスで働いていると飽きてしまうし、会社がずっと変わっていない感覚になってしまいます。オフィスの移転はひとつのモメンタム。メンバーにとってイベントとして楽しめたり、刺激になったりしているといいなと思います。

大きなオフィスに移転できるというのは自分たちが社会に対して価値を提供できた結果です。この移転のタイミングに会社にいることで、その前後のオフィスを体験して自分たちの変化や生んだ価値を体感できること。「前のオフィスはあんな感じだったよね」と話す時、自分たちの成長を感じることができるんです。

渋谷エリアで拡大に合わせ移転を続けた、
フクロウラボのオフィス遍歴

前のオフィスの「ファミレス席」を彷彿とさせるデザイン。かわいい!

──これまでのオフィスの遍歴も知りたいです。フクロウラボが始まった時は、マンションの一室だったとか。

場所はずっと渋谷で、最初のオフィスは10坪くらいの桜ヶ丘のマンションでした。移転当時は従業員がひとりだったので、小さい部屋でよかったんです。オフィスがなくても仕事ができる状態でしたが、仲間集めをするなら場所があったほうがいいだろうと借りた部屋でした。

その後は南平台の40坪くらいのオフィスに移転しました。この時フクロウラボのオフィスの特徴でもある本棚を買いました。まだ自分たちでトラックを借りてIKEAで買った机をみんなで組み立てたりしていた頃です。6、7名だったメンバーが20名くらいに増えて、狭くなって移転しました。

次は丸山町の80坪くらいのオフィス。前のオフィスから移ってきた時も拡大理由でしたが、こちらも1年くらいですぐに出ることになりました。そして入ったのが180坪程度のこの一つ前のオフィスです。この時、ようやく普通のオフィスビルに入ったなという感慨がありました。

──というと?

それまではオフィス専用のビルではなく、掃除は自分たちで行っていました。今のひとつ前のオフィスは、エレベーターがついていて、掃除を外注するようになり、ようやくふつうのオフィスの環境が整ったのです。

──なるほど。そして、さらに広い今のオフィスに移転されたというわけですね。清水さんにとって、オフィスはどんな場所なのでしょうか?

正直に言うと、僕はオフィスにあまり興味はありません。会社のため、働くメンバーのため、顧客のために必要なものだと思っています。

今のフクロウラボは基本的にオフィスに週3日出社するスタイルをとっています。社内での依頼が多いこと、社会人経験の少ないのメンバーが多くお互いにサポートし合いながら働くことを考えると、同じオフィスで働くことが大切なのです。

──ただの働く場所ではなく、助け合える環境や雰囲気を作る場所でもあるんですね。

はい。最初にお話ししたように、PXの向上は今期に力を入れたいことのひとつです。オフィスの環境はこれに大きな影響を与えるものなのです。

PXは、パンづくりのようなもの。その日の気温や温度を見ながら少しずつ素材の量や水分の量を変えることでいつもおいしいパンができる。PXも同じで、働く人の顔や、雰囲気、空気を見ながらメッセージを調整したり、それを育む環境が必要なのです。

会社と従業員、従業員同士がいかにリスペクトし、愛しあえるか。僕自身も「はたらく体験をなめらかに」を合言葉に、フクロウラボのPXに少しでも良くなるようにコミットしたいと思います。

(写真・文:出川 光)

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