営業らしい競争意識を育み、真摯な向き合いを評価する。フクロウラボの「提案コンテスト」
お客様に向き合い、より多くの価値を届けるためにさまざまな施策を行っているフクロウラボの営業部。これまでもオンライン学習ツール「グロービス学び放題」の導入や、その知識を定着させる「学び場」の様子をこのnoteで紹介してきました。今回ご紹介するのは、営業の現場での頑張りがダイレクトに評価される「提案コンテスト」という表彰制度。売り上げや行動量ではなく、なぜ「提案」に焦点を当てたのでしょうか。その狙いと効果はどのようなものだったのでしょう。営業部長の矢継 雅基(やつぎ・まさき)さんにお話を聞きました。
営業部の誰もが応募でき、金一封も。「提案コンテスト」とは
──今日はフクロウラボの営業部で実施している表彰制度「提案コンテスト」について教えてください。まずは、その概要を教えていただけますか?
「提案コンテスト」は、営業部のマネージャー、メンバーが自薦・他薦で応募できるコンテストです。コンテストに応募できるのは、主に社外のお客様に対して営業担当が行った「提案」。提案の内容や、プランのクオリティ、出した成果や切り口などを総合的に評価し、3ヶ月ごとに受賞者が決まります。
用意している賞は、金賞、銀賞、銅賞の3つ。金賞から順に5万円、3万円、1万円の金一封を用意しており、受賞者はオフラインの全員参加ミーティング「All Hands」での表彰があります。
応募の方法は、定められたスプレッドシートに提案内容を記載するというもの。このスプレッドシートは営業メンバーが誰でも見ることができ、いつでも記載することができます。「コンテスト」の運用開始は2023年の10月から。現在でちょうど1年が経過しようとしており、これまでもさまざまな提案が表彰されてきました。
──金一封がもらえる上、全社員の前で表彰されるとは、ぜひ受賞を狙いたいですね。
せっかくコンテストを行うのであれば、インセンティブをつけて「獲りたい」と思ってもらえる設計にこだわりました。フクロウラボの営業メンバーは謙虚な方が多いものの、このようなコンテストを行うことで競争力を高めたいという狙いもあります。
営業領域やお客様の性質に左右されない「提案」に焦点を当てた
──「提案コンテスト」が興味深いのは、行動量や売り上げではなく、「提案」に焦点を当てていることだと感じます。背景にはどのようなお考えがあるのですか?
営業にとって大切な行動量は別のKPIで管理しています。コロナ禍を経てオンラインの商談をすることも増えましたが、顔を合わせるのはやはり効果的なもの。KPIではどれだけ行動したかを評価し、メンバーに求めていきます。
一方で、広告主やメディアの方の拠点や特性、規模によってこれらの行動量は左右されてしまうこともあります。担当する領域や広告主・メディアに影響されず、その案件への向き合い方を平等に評価できるものとして「提案」を選びました。
また、フクロウラボの主軸事業である「Circuit X」を営業商品として捉えると、システムや技術力で大きな差別化を図ることが容易ではなく、何かしらの差別化ポイントを作る必要があります。営業部の部長として、営業メンバーの提案力がその差別化になればと考え、「提案」に焦点を当てることにしました。突き抜けた予算をいただくには、お客様やメディアに向き合い、その期待値を超える「提案」をする必要があるのです。
新たな“気づき”を与え、信頼関係を深めるきっかけになる提案を評価
──矢継さんの理想の「提案」とはどのようなものなのでしょうか。
お客様やメディアの方に“気づき”を与える「提案」です。私たちの商品はアフィリエイト広告です。馴染みのある商品であるゆえに、なんとなく営業をして、なんとなく掲載して、期待通りの結果が出ているのでは十分ではありません。お客様やメディアの方がそれ以上のことを期待しなくなってしまい、新しい課題や困りごとの相談をいただくことができないからです。
鮮やかな「提案」で「そんな視点があったのか」「こんなやり方があるんだ」とお客様やメディアの方に驚きと“気づき”を与えることができれば、より信頼関係が深まり、今の商品で解決できる課題以上の相談をいただいたり、他のお客様に紹介をいただくことができるはずです。
──「提案コンテスト」ではどのような「提案」が評価されるのでしょうか。
フクロウラボには、広告を出稿する広告主向けと、その広告を掲載するメディア向けの営業があります。それぞれの評価ポイントを紹介します。
まず、広告主向けの「提案」は、お客様の困りごとやニーズを正確に捉え、期待を越えようとする提案ができているかどうかが評価されます。それに加えて先ほどお話しした“気づき”やビジネスのきっかけを提供できているかどうかも重視します。広告主向けの営業は、お客様もある程度アフィリエイトの知識があることがほとんど。単なるアフィリエイト広告への出稿ではなく、一歩踏み込んだ提案や手法でお客様の満足度を上げられたかを総合的に評価します。「提案」の内容は、広告出稿に限らず、座組の提案や協業提案なども対象です。
次に、メディア向けの「提案」です。案件の紹介と掲載のお願いにとどまらず、案件の特徴や成果の出し方、企画の内容にまで踏み込んだ「提案」を評価します。メディアの方は、自身のメディアの読者やユーザー像や出せそうな成果をある程度予測することができます。驚きのある切り口や、意外な商品と読者・ユーザー層のマッチングを考えた企画、掲載広告のアプリを使いこんだことで行える品質の高い「提案」を評価します。
──どちらも、一般的な提案から一歩踏み込んだ、新たな気づきやビジネスのきっかけにつながるような視点が評価されるのですね。
これまでの「提案コンテスト」受賞者を、受賞者コメントとともに紹介
──ここで、過去の入賞した「提案」を矢継さんにご紹介いただき、その受賞者に一言ずつ感想をいただきます。
営業らしい健全な競争意識をコンテストで育んでいく
──それぞれの営業担当の個性あふれる多様な「提案」が行われ、評価されている様子が伝わってきました。1年間「提案コンテスト」を実施してみて、手応えはありましたか?
応募するためのスプレッドシートにたくさんの提案が集まってくるのは見ていて嬉しいですね。このシートに記載されている提案そのものがフクロウラボの営業部の資産になり、皆が参考にできる集合知ができてきていることも良かったなと思っています。
一方で、まだまだ盛り上がりに欠けたり多くのメンバーが積極的な参加、という状態までいけていないことも事実。営業担当らしい健全な競争意識や、「賞を獲りたい!賞金が欲しい!」という野心のある応募をいかに増やしていくかが今後の課題です。そのために、今後もこの「提案コンテスト」を継続し、受賞の場や声かけなどを工夫して意識を醸成していきたいと思います。
──「提案コンテスト」をはじめ、さまざまな施策を行っている営業部ですが、これからどのような姿を目指したいですか?
今の営業部の良いところは、ひとりひとりが誠実でお客様やメディアの方にきちんと向き合う人が多いところです。これからは、その良さを保ちながら、よりレベルの高い「提案」ができるよう、発想力、引き出しの多さ、他社事例などの知見などを磨いていきたいと思います。
また、今後は「提案コンテスト」に限らずさまざまなコンテストを増やしていきたいと考えています。営業担当に必要なスキルや良い営業のあり方を考えるきっかけになり、みんなで営業力アップ、モチベーションアップにつなげていけたらいいですね。
(写真・文:出川 光)
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