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売上1位を目指すアドプラットフォームGF Rewards。その開発を支えた開発の工夫と舞台裏

先日リリースが発表されたことが記憶に新しい、フクロウラボとGlossom株式会社(以下、Glossom様)と共同で提供開始した次世代アドプラットフォーム「GF Rewards」。その開発の背景にはどのようなプロセスや工夫があったのでしょうか。本開発プロジェクトをリードしたマネージャーの平尾翔太(ひらお・しょうた)さん、インフラエンジニアの満江和士(みつえ・かずし)さんにお話を聞きました。

フクロウラボ初の協業プロジェクトの始まり。

お話を聞いた、平尾さん。

──まずは、GF Rewardsの開発プロジェクトの始まりについて教えてください。

平尾:プロジェクトの準備が始まり、マネージャーの私にまず声がかかりました。そこから徐々にメンバーを集め、2024年の2月頃にはプロジェクトメンバーが揃いました。フクロウラボの売り上げに高く貢献できるプロジェクトなので、皆気合が入っていましたね。

満江:私がプロジェクトメンバーにジョインする時、平尾さんと「ただ開発をするのではなく、このプロジェクトで得た知見を他のチームにも展開することを目指そう」と話したのを覚えています。やるからには、チームもサービスもトップモデルにしたいと思っていました。

──GF Rewardsは、ゼロから開発したのですか? それともベースになるものがあったのでしょうか?

平尾:ゼロから開発しました。Circuit Xとはアフィリエイト広告というジャンルは同じものの、Circuit Xは広告主が出稿するモデルであるのに対してGF Rewardsは広告を見てアクションを起こすユーザーにインセンティブがあるリワード広告なので、大きく仕様が異なるのです。また、(Circuit Xのような)toBではなくtoCにもポイント付与があるため、これまで以上にミスが許されないのです。万が一不具合があった場合のケアや問い合わせがtoB以上にシビアだからです。

お話を聞いた、満江さん。

満江:実際に開発に取り掛かってみると、Circuit Xとは桁違いのリクエストがサーバーに飛んでくることがわかりました。それらをどうさばいていくか、それに耐えうるインフラをどう構成するかなど、難易度の高い課題がたくさんありました。ユーザーに直接影響がある点がプレッシャーでもあり、やりがいでもあるなと感じながらこの開発プロジェクトが始まりました。希望を与えてくれたのは、協業相手のGlossom様が質問しやすい体制を整えてくださっていたこと。現在Glossom様で運用しているシステムについて聞き、解決しない点を勉強しながらプロジェクトを進めていくという道筋を立てることができました。

ただ開発するのではなく、最高のチームで。
このプロジェクトチームのために作ったMVV。

──このGF Rewardsの開発で特徴的なのは、チームビルディングを念入りに行なったことだとか。

平尾:プロジェクト開始前に、丸一日時間を割いてプロジェクトメンバーで集まりチームビルディングをしました。フルリモートのメンバーにもオフィスに来てもらい、膝を付き合わせてこのチームのミッション、ビジョン、バリュー(以下、MVV)を作りました。また、スプリントの進め方や振り返りのミーティングの行い方などの目線合わせも行い、スムーズに開発を進めるための準備をしました。

──チームの中のMVVを作るとは、珍しいですね。どのようなものなのでしょうか?

平尾:私たちが作ったのは、このようなMVVです。

ミッション
・リワード型広告の新たな価値を創造し、全てのステークホルダーの利益を最大化する

ビジョン
・リワード広告業界の価値を底上げする
・チーム、サービス共にトップモデルになる


バリュー
・挑戦を讃える
・二項対立を超越する
・早く試す
・全員が主役、全員がフォロワー

平尾:みんなで案を出して、ディスカッションを重ねそれらをブラッシュアップし、最終的に投票でこれらに決定しました。せっかくゼロから開発するのだから、競合他社と一線を画すにはこのくらいのことをしなければならないと考えて策定に至りました。

満江:「サービスだけ作ればいい」のではなく、いいチームを作った上でいいものを作りたかったので、このプロセスができてとても良かったなと思います。

──MVVの中で特に思い入れのあるものを教えてください。

平尾:「二項対立を超越する」というバリューです。開発の現場では、よく「期日とクオリティ」など、二項対立でトレードオフになる概念があります。このプロジェクトでは、そのどちらも諦めないスタンスで開発をしたかったのです。実際に私が意思決定をしなければならない時もこのバリューに助けられました。

満江:私は「チーム、サービス共にトップモデルになる」「挑戦を讃える」が気に入っています。前者は、チームづくりにこだわった結果、成果物のクオリティが上がるという事例を社内に広めたかったから。後者は、開発中に挑戦の結果失敗してしまった時、このバリューのおかげで空気が落ち込むことなく、常に前をむくことができたので気に入っています。特に、インフラの設計はミスができないので慎重さが求められる作業で、構築してみても採用できないこともしばしばでした。時には1週間を無駄にしてしまうこともありましたが、このバリューのおかげで「ナイストライ」と言ってもらえてとても救われました。平尾さんにも言っていただきましたよ。

平尾:メンバーの性格や趣向がもともとそう(挑戦を讃える)だったのに加えて、このバリューがあるからこそそれをさらに表に出せたのだと思います。その空気を作れただけでも、大きな収穫でしたね。

協業ならではのすり合わせが難所。
期日を守るための努力と工夫。

──長い開発期間の中で、特に大変だったのはいつ頃でしたか?

満江:2024年5月末がファーストリリースだったのですが、その前の3ヶ月はとても大変でしたね。リワード広告のサービスを初めてゼロから作るので、どのような設計にすべきかをバックエンドメンバーで繰り返し議論しました。フクロウラボのプロダクトならばそこで決まったものを作ればいいのですが、今回はGlossom様との協業です。相手方がもともと持っているサービスの仕様や意向を合わせて考える必要があり、最終的にはものすごい量の仕様ヒアリングをしなければなりませんでした。

さらに、機密事項があるためGlossom様の画面を見ることができず、スライド共有サービスを使ってスクリーンショットに大量のコメントをつけて質問をし、それに返信してもらう形で密なヒアリングを行いました。

平尾:期日が迫る中、みんなとてもよくやってくれたのを覚えています。バックエンドのメンバーのひとりが、仕様の決め方の型を作ってきてくれたこともありました。そういったみんなの働きによって少しずつ開発が前に進みました。

また、ファーストリリースの期日を守るため、リリースに必ず必要な要素を絞ったことも良く働きました。かなり過密なスケジュールでしたが、それでもメンバーが「なんとか完成させよう」と良い空気を作ってくれたことで、無事にリリースを迎えることができました。

お互いの文化と背景を理解し擦り合わせるのが大切。協業プロジェクトで学んだこと、これからのGF Rewards

──GF Rewardsは、2024年の5月末にファーストリリースを行い、現在は来年2月のセカンドリリースに向けさらに開発を進めています。ファーストリリースを行なった感想はいかがですか?

平尾:リリース当日はリモートで働いているメンバーも多く、Slackでリリースを報告すると、たくさんのリアクションが集まりました。内心は、「間に合ってよかった」という安心の方が大きかったのを覚えています。

満江:リリースはお祭りのようなイメージがあるかもしれませんが、意外と静かなものなんですよ(笑)。私も、喜びというよりは、「バグが出ないかな」「サービスが止まらないかな」と心配の方が大きかったような気がします。

──初めての協業プロジェクトを遂行してみて、どのようなことを感じていますか?

平尾:今回は先方がとても協力的に情報共有をしてくれましたが、それでも動いている画面を直接見たり、管理画面にログインすることができないため情報共有がとても難しいことがわかりました。また、要望や意見を交換する時にお互いのバックグラウンドが異なることで、内容を正しく理解することがここまで大変なのだということを実感したプロジェクトでした。初めての協業で、多くの学びを得ることができました。

満江:開発の知見はもちろんですが、ビジネスの知見を得ることができたと感じています。協業先の会社の背景、稟議システム、経営陣の方、営業の方の考え方を理解した上で、コミュニケーションを取ることがスムーズにプロジェクトを進める鍵だということを学びました。特に役立ったのは、言語の統一です。同じ言葉でも、会社が違うと微妙に異なるものを指していることに気づき、序盤からこのプロジェクトにおける「ユビキタス言語」を決めたのがとても効果的でした。このような経験を社内の他のプロジェクトにもフィードバックしていきたいなと思っています。

──今後のGF Rewardsの発展が楽しみですね。

平尾:次回のリリースでは、待望のオファーウォール(アプリやゲーム内で「ポイントを貯める」「アイテムを獲得する」といったリワード(報酬)を提供する仕組みのこと)がリリースされます。一般ユーザーの方に使っていただけるのがとても楽しみです。これからも次々に機能を追加し、GF Rewardsを売上1位のサービスに育てていきたいと思います。

満江:インフラエンジニアとしては、「本当にいいインフラを作った」という自信があります。また、一般ユーザーだけでなく、営業の方やオペレーターの方たちにも喜んでいただけるサービスになるよう、これからも機能を拡充させていきたいです。

(写真・文:出川 光)

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