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問題を解決に導く楽しさ。お寺の仕事とエンジニアを結ぶ「縁起」

香川県の自宅からフルリモートで働く栄 真矢(さかえ・しんや)さん。バックエンドエンジニアとして入社し、半年が過ぎました。転職先に求めていたいくつかの条件に、フクロウラボがぴったりとマッチしたことから入社を決めました。重視したポイントや実際に入社して感じた印象など、ご自身のバックグラウンドを交えながらたっぷりと語っていただきました。

エンジニアリングの楽しさに気づいた「お寺のアプリ」

──フクロウラボに入社する前のご経歴からお伺いしたいと思います。栄さんがエンジニアを志したきっかけは何だったのでしょうか?

私の実家はお寺で、もともと仏教系の学校に通い、その後知人のお寺の手伝いをしていました。学校の授業は座学やお経を読む練習など様々あり、学びが多く楽しかったです。エンジニアリングに興味を持ったのは、ちょうどその頃。時間も忘れるくらい熱中して作った、「お寺のアプリ」がきっかけでした。

檀家さんの管理システムのようなもので、これまでに誰とどんな話をしたのか会話の内容を記録しておけるツールです。お寺で働く人から「そんなアプリがあったら便利だよね」と言われ開発を始めました。興味本位で始めたエンジニアリングの勉強でしたが、気がつけばお寺の仕事よりも没頭している自分がいました。

もともと自分や周りの人たちの課題を考え、解決策を導き出すことが好きだったのもあり、作ったアプリがお寺で働く人たちの助けになったことが嬉しかったのです。「これからは趣味ではなく、好きなことを仕事にしていこう」と考え、エンジニアになる道を選びました。

3つの条件はフルリモート、カルチャーフィット、最新技術

──その後はどういった経緯でフクロウラボと出会ったのでしょうか?

知人のお寺の手伝いを続けながら、大阪の開発会社でエンジニアとして働き始めました。自社事業と受託事業の両方を行う会社で、業務では主にGo言語を使っていました。しばらくして家庭の都合で香川県への引越しが決まり、それが転機になりました。
どうにかリモートで仕事を続けられないかと会社から打診があり話し合いを重ねましたが、ほかの社員たちが出社する中で自分だけがフルリモートで働くのは難しいと感じました。それならば一から仕事を探そうと思い、転職を決意したのです。転職先を選ぶ際の条件は3つ。フルリモートであること。会社や開発チームの雰囲気がマッチすること。これまで使っていたGo言語と、最新の技術やサービスを使っていること。これらの条件をすべて満たしていたのが、フクロウラボでした。

物理的な距離を縮めるリモートワークのチーム力

──実際にフクロウラボへ入社して、転職時に重視した3つの条件にギャップはあったのでしょうか。まずは最も大切な条件であった、フルリモートでの仕事環境はいかがですか?

フルリモート環境でも、出社している人たちと支障なく仕事ができる環境です。社内で口頭で決まったことや、キャッチアップしづらい情報を、チームメンバーがしっかりと情報共有してくれています。フルリモートで働く人たちへの気遣いを感じますね。


フクロウラボに入社して一番の驚きは、オンラインのビデオ通話を介して一緒に作業をする文化が根付いていたことです。入社して間もない頃、ひとつのバグを改修してリリースした直後に、また別の問題が発生してしまったことがありました。その時、すぐに「オンラインで集まって一緒に作業をしよう」とメンバーから声がかかったのです。全員で同時に取り組むことで作業効率が上がり、すぐにバグの原因を特定して問題を解決することができました。

今でも作業中に分からないことが出てきたら、気軽にチャットで声をかけています。「相談したいことがあるので、分かる人がいたら教えてください」とGoogle MeetのURLを貼って待っていると、メンバーが入ってきて手助けをしてくれます。誰も教えてくれないなんてことは、今までに一度もありませんでした。質問をすれば誰かが必ず答えてくれる。チーム一丸となって解決策を練る。フルリモートでの業務において、これほど心強いことはありません。

──会社や開発チームの雰囲気はいかがでしょうか?

フクロウラボの開発チームは、まさに自分が理想としていたチームビルディングを大事にする組織。エンジニアひとりひとりの能力を最大限に活かしながら、チームでより良いものを作るための議論が活発に行われています。ほかの部署のメンバーたちも、一見するとやわらかな印象を受けますが、みんな根っこは真面目でしっかり者。ピリピリとした空気がなく、気軽に相談がしやすい雰囲気です。

一方で、フルリモートは、出社するメンバーに比べて雑談をする機会が少なく、ラフなコミュニケーションを取れないのが難点です。それを解決してくれるのが、フクロウラボの恒例行事である合宿。半年に一回、開発チームの合宿が開催されるので、そこでメンバーたちと顔を合わせて話ができます。お互いに仕事モードではない普段の姿を見せられるので、合宿には毎回必ず参加しています。

──栄さんの現在のお仕事について教えてください。また、どんな時にやりがいを感じますか?

現在はCircuit Xの管理画面のリプレイスを担当しています。既存のサービスを新しく作り変えていく仕事に興味を持ち、志望しました。管理画面の開発には機能の改修を小まめに行うイメージがなかったのですが、Circuit Xでは二週間に一度必ずリリースを行っています。私にとって、思っていたよりスピード感のある現場であることは嬉しいギャップで、エンジニアとして働く上でのよい刺激になっています。

また、Circuit Xの管理画面ではアプリケーションを動かす基盤にAWS AppSyncを採用しています。前職から使っているGo言語に加え、新たなサービスから知見を得るという転職時の目標を、こうして実現することができました。管理画面は社内メンバーの作業効率に直結するシステム。新機能やバグの改修を行った時に、身近な人から喜びの声をもらえると、人の役に立つものが作れているのだとやりがいを感じます。

エンジニアとして、自分がこれからできること

──栄さんが考える、フクロウラボの課題は何でしょうか?

私自身を含め、フクロウラボの開発チームは技術面においてまだまだ伸びしろがあると感じます。ユーザーである社内のメンバーが喜ぶものを作るだけではなく、品質にもこだわって作り上げていく。開発者としてより高いレベルの技術力を身につけるために、まずは意識から変えていく必要があると考えています。

これは前職でお世話になったエンジニアから教わったマインドで、「より高い品質のものを開発してやるぞ!」と意識を持つことが、行動を変えるきっかけになるのです。キャリア採用でフクロウラボに入社したからには、私が前職で培った経験やノウハウを開発チーム全体の技術力アップに活かしていきたいです。

──これからのご活躍がますます楽しみですね。一方で、お寺に関わる活動も気になります。これから目指していることはありますか?

日常生活においても、エンジニアリングとプログラミングで自分の課題や周囲の人たちが抱える問題をどんどんと解決していけるようになりたいです。これは、お寺のアプリを制作してエンジニアリングの楽しさに気がついたあの時から変わらない想いです。

仏教用語で言う「縁起」は、すべての物事には原因となるタネがあり、因縁で結ばれていることを意味します。プログラミングも同じで、何かしらのバグが発生した結果に対し、必ず原因となるタネが存在するのです。それをひとつずつ紐解いて見つけ出し、解消する。私の中にある「問題を考え、解決に導く楽しさ」は、もしかしたらそういった仏教の教えが根本にあるのかもしれません。

いつかはお寺を継ぐことになるのかもしれません。けれど、現在のエンジニアとしての仕事がお寺の仕事に活かせる「縁起」であると信じて、将来に繋げていきたいです。

(写真・取材:出川 光)

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