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いつか「新規」事業と呼ばれなくなるまで。フクロウラボ の新規事業「Ordinary」

フクロウラボ に新規事業に取り組むチームがあるのをご存知でしたか?実はすでにプロダクトをリリースし、仲間集めも始めているのだそう。新規事業チームからお二人にお越しいただき、プロダクトの内容や現在のフェーズについて聞きました。お話を聞いたのは、山本有樹(やまもと・ゆうき)さん、後藤​​文也(ごとう・ふみや)さん。

聞き手:出川 光

フクロウラボの新規事業「Ordinary」

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──今日は新規事業チーム五名の中から、お二人にお話を聞かせていただきます。まずはお二人に自己紹介をしていただきたいと思います。

山:山本有樹です。2020年の9月に入社しました。このチームではプロダクトの方針の決定や管理などを行っています。

後:後藤文也です。2021年の8月に入社して、まだ3ヶ月です。もともと趣味で映像制作をやっていて、フクロウラボ が動画制作ポジションを募集していたので入社しました。

──お二人とも、新規事業をやる前提で入社しているのでしょうか?

山:僕は新規事業と事業推進をやるということで入社しました。

後:僕も、この新規事業の募集で入社しました。

──これまでも新規事業立ち上げなどのご経験が?

山:いいえ、僕は前職は大手の倉庫屋さんで働いていました。ここまでゼロイチの新規事業の立ち上げは初めてです。

後:僕なんて、前職は自転車屋さんだったんですよ!映像を作ってはいましたが、新規事業の立ち上げは初めてです。

──なかなかフレッシュなチームなんですね!このチームの立ち上がりはどのような経緯なのでしょう?

山:「Ordinary」はプロダクトの名前で、代表の清水さんが決めたものです。清水さんの中で構想期間が1、2年くらいあり、骨子も清水さんが作りました。それを、新規事業を作るチームとして集まった僕らに投げてくれてプロダクトをリリースし、現在は営業をしているところです。

──なるほど。プロダクトのコンセプトや内容も詳しく知りたいです。

山:「Ordinary」という名前が示すように、コンセプトは、「ありのままの自分でも、明日のご飯の心配がいらないくらいコンテンツでお金が稼げたらいいよね、という思いがベースになっています。プロダクトは、「ファンクラブのアプリ版」というとわかりやすいでしょうか。ファンビジネスをしている人にオリジナルアプリを制作・提供し、そこでさまざまなコンテンツを提供できるようにするというものです。

──なるほど!会報のような情報や、会員限定の動画や画像などをアプリで配信できるんですね。ファンにはたまらないですね。

後:そうなんですよ。アプリができるという特別感は、けっこう喜んでもらえてます。好きなアイドル、YouTuber、インフルエンサーなどの「その人だけを見るアプリ」は今までにないですから。

──後藤さんは、そのアプリの中の動画などを作っているんですか?

後:そうです。告知動画や、PVのようなものを作っています。もともとシネマティック動画を趣味で作っていたので、けっこう楽しいんですよ。

──ご自身で作っていたということは、配信などもされていたんですか?

後:いえいえ。僕はけっこう裏方気質なところがあって、動画を作るのは好きだけれど配信などにあまり興味が向かなかったんです。だから今の仕事でクリエイターさんを支える仕事をしているほうが、性に合っているんです。

最初のお客さんになってくれる人を探すフェーズ

──現在の「Ordinary」はどんなフェーズなのですか?

山:プロダクトはできているので、それを営業している段階です。最初のお客さんづくりのフェーズですね。

──ファンビジネスをしている人、といってもかなり幅広いですよね。どんなところに営業に行っているのですか?

山:どれかのジャンルに絞るというよりは、「行けそう!」と思ったジャンルを攻めて、それが終わったら次のジャンルを攻めて、という風に自由に営業しています。ファンビジネスの幅広さはすさまじく、芸人さんから猫までさまざまなコンテンツがあり、まだどれが勝ち筋なのかを探っている状態です。

後:一覧になっているサイトから連絡してみたり、YouTubeなどを検索して見つけたクリエイターに対して、メールやDMを送っています。僕は動物ジャンルに賭けていて、毎日いろんな動物動画を見ては連絡をしています(笑)

山:動物いいね〜。僕は最近いいなと思っているのは舞台です。YouTuberの中には舞台をやっている人も多いですし、既存のファンクラブがワークしづらいようで、その要件にアプリが合うんじゃないかな、と。こんな風に思いついたところに営業に行って手応えを確かめるという、けっこう自由な営業を現在はひたすらやっています。

──受注するパターンなども見えてきているんでしょうか?

山:まだなんとも言えないですが、「愛を伝えてアポがとれる」というパターンが意外にも実現するのだなという感触があります。自分がどれだけ相手のコンテンツが好きかを伝えたら、「そんなに言ってくれるなら一度会いましょう」とアポイントがとれて、話が進んだり。ITのサービスですが、向き合う人のキャラクターで実現することもあるんだなと少し驚きました。

後:僕まだ、その「愛の営業」成功していないんですよ!もっと愛を伝えないとだめなのかもしれません。もっと愛情表現していきます(笑)

山:何よりその「愛の営業」が上手で、楽しんでやっているのが代表の清水さんなんですよ。立ち上げ時にはそうやって清水さん自身が案件をいくつか引っ張ってきてくれて。それを間近で見れるのもやりがいになります。

「辛いわー!」と言っているメンバーの顔が笑っている

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──なんだか楽しそうな雰囲気が伝わってきますね。

山:今はメンバー5名が男性ばかりなので、男子校の部室のような雰囲気でわいわいやっています。新規事業を進めたり、営業するのは心が折れることも多いので、雰囲気は楽しく保とうと意識しているところも多少あります。

後:確かにわいわいしていますね。いまだに高校生みたいな感じで、本当に部活のような雰囲気。

──けれど、やっぱり大変なことも?

山:僕が新規事業をやるのが初めてで、どう進めればいいかがわからないので辛いというのもあると思います。95%は辛いと言っても過言ではない(笑)。けれど、ところどころで「なるほど!」と思ったり、「新規事業ってこういうことがあるのか」と学べる瞬間があって。それが5%の喜びになってやりがいを作ってくれるんです。

後:営業なんて、基本断られてしまいますし、辛いと言えば辛い。だけど、「これキツいなー、辛いわー!」と言っているメンバーの顔が笑っているんですよ。それがエネルギーになっているし、1、2年後に「このプロダクトは自分が大きくしたんだ」って宣言するための試行錯誤だと思えば大変なことも乗り越えられます。

いつか「新規事業」と言われないために

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──「Ordinary」のこれからについてもお伺いしたいです。新しいメンバーも募集しているのでしょうか?

山:はい!一緒に営業をやってくれるメンバーを募集しています。

──どんな人が合いそう、などイメージはあるのでしょうか。

山:さきほど「男子校の部室」なんていう話をしましたが、そこに突破力がある女性がきてくださるのも楽しそうですよね。自分の好きな趣味やジャンルが明確にあって、自律的に働ける人が合っているのではないかと思います。「これ好きなんで、今から行ってきます!」という感じで働ける人だったら、相性が良さそう。後藤くんはどうですか?

後:僕自身入社したばかりでそんなおこがましいことは言えないですが、しいて挙げるならポジティブな人が合うんじゃないでしょうか。営業は簡単には形にならないので、それでも挫けない人がいいんじゃないかなって。

──なるほど。元気な営業メンバーが入ってくれるといいですね。ちなみに、もうすぐフクロウラボ の創立記念日だとか。次の一年で「Ordinary」が目指したいことはどんなことでしょうか?

山:新規事業と言われない状態を目指したいです。

──というと?

山:まだ事業になっていないから、「新規」事業と社内で呼ばれる。それ自体は悪いことではありませんが、早く事業として成り立つ状態にして、「フクロウラボ のひとつの事業だね」と言われる状態にしたいんです。

後:僕はひたすら手を動かしていこうと思います。がむしゃらに手を動かした先に、クリエイターさんが当たり前にこのサービスを使ってくれる未来があったらいいなあ。今はSNSに気合が入ったコンテンツが溢れているので、気楽に作って、気楽に稼いで、という環境をこのサービスで実現できたらいいなと思っています。


インタビューを通して一番盛り上がっていたのはクリエイターさんのことを話す時だったのが印象的なお二人。「95%辛い」なんて発言も飛び出しましたが、それも新規事業の楽しみの一部なんだなと感じさせられるお話でした。プロダクトのはじまりを一緒に体験してみたい方は、フクロウラボ の新規事業チームへぜひ。

(写真:フクロウラボ  / 文:出川 光)

追記:2023年、Ordinaryサービスは終了し、プロダクトに参加していたメンバーは次の新規事業の創出に向けて頑張っています。